たった2日での辞任劇!ビエルサを失ったラツィオの今後
7月6日に、今季の監督にマルセロ・ビエルサの就任を発表したラツィオ。7月9日にはビエルサ監督がローマ入りする予定でしたが、7月8日、わずか2日で当のビエルサ氏が辞任を発表しました。
既にアルゼンチンサッカー協会が次期監督にビエルサ氏を推している様で、この事が大きな理由のひとつなのかも知れませんが・・・。
「変人」の面目躍如。急遽ラツィオとの契約を破棄したマルセロ・ビエルサ氏はいずこへ?
【ことの経緯】
ラツィオのクラウディオ・ロティート会長が契約不履行を訴えると明言しており、今後真相は裁判で明らかになると思われますが、契約に至るまでにビエルサ氏と交わした「約束」が履行されなかった事が、主な要因と言えます。「補強を要求した7名の選手のうち、誰も獲得していないから」というものでした。
約1ヵ月ぶりの「復帰」となった、シモーネ・インザーギ監督
【今季の監督は?】
結局、昨季途中から指揮を執った「シーモ」ことシモーネ・インザーギ氏と再度契約しました。シーモはサレルニターナ(セリエB)との契約間近であったとされており、なんとか「奪還」できた形となりました。当初はシーズン開幕前までという情報もありましたが、どうやた今季いっぱいはシーモに任せる方向になった様です。現在キャンプを行っているラツィオですが、チーム全体に与える影響は大きいものと思われます。
【肝心要の補強状況は?】
チームの大黒柱となる選手のうち、2人に移籍の噂があがっています。まずはイタリア代表としてEURO2016にも出場したFWアントニオ・カンドレーヴァ。当初はインテル入りが濃厚と言われていましたが、一転ナポリへの移籍が決定的と報じられるなど、流動的な状況です。そしてなかなかトップパフォーマンスを維持できないMFフェリペ・アンデルソンに関しても移籍の噂があり、チェルシー(イングランド)が彼の獲得を狙っているとも言われています。そしてここへきて、イタリア代表MFマルコ・パローロもチェルシーが狙っているとも言われています。
今季補強第1号、DFジョルダン・ルカク(fromオーステンデ/ベルギー)
そして補強に関しては、ビエルサ氏が要望していたFWフェルナンド・ジョレンテ(セビージャ/スペイン)やMFマウリシオ・イスラ(ユヴェントス)がラツィオにやってくる事は、ほぼ消滅したと言えます。その他の注目株といえば、こちらもビエルサ氏が熱望していたFWアレシャンドレ・パト(サンパウロ/ブラジル)はラツィオ行きを固辞し、スペイン行きが濃厚となっています。
アドリアーノをバルセロナ(スペイン)から、そしてジャルデウをベンフィカ(ポルトガル)から獲得するのは決定的と言われつつも、まだ確定していません。その様な中で、ロメル・ルカク(エヴァートン/イングランド)の弟であるベルギー代表DFジョルダン・ルカクの獲得が決まりました。やっと今季新加入の選手が1人決まったという状況です。ルーマニア代表DFステファン・ラドゥとのポジション争いが彼を待っています。
チーロがセリエAに復帰か?かつてのパフォーマンスを取り戻せるのか・・・
ケガで昨季を棒に振ったFWリカルド・キシュナのケガが癒えましたが、FWミノフラス・クローゼの代役となるべき選手も必要です。以前からFWアルカディウシュ・ミリク(アヤックス/オランダ)に注目をしていましたが、アヤックスが彼を手放さない事が決まっていますので、新たな代役を探さなければなりません。CFにはフィリップ・ジョルジェヴィッチがいますが、パフォーマンスに波があり、シーズンを通して計算できる選手では無い事が明らかです。
その様な中で、ドルトムント(ドイツ)移籍後から、いろいろな問題を抱え期待通りの活躍ができていなかったFWチーロ・インモービレ(トリノ)の獲得が間近に迫っています。
ジョルジェヴィッチとはタイプの異なるCFとなりますので、攻撃のバリエーションが昨季とは大きく変わりそうです。