サッスオーロの「冒険」は続く・・・
セリエAで3シーズン目を迎えた2015-16シーズン。サッスオーロとしては、当初はセリエA残留が第一目標でしたが、蓋を開けてみればリーグを6位で終了し、コッパ・イタリア決勝の結果次第では、来季ヨーロッパリーグに出場できる可能性が非常に高くなっています。
それではサッスオーロというクラブは、いったいどの様なクラブなのでしょうか。
【人口約4万人の、小さな街の希望】
USサッスオーロは1922年に創立。ホームタウンはエミリア・ロマーニャ州モデナ県にあるサッスオーロです。サッスオーロは人口約4万人の小さな街で、2015-16シーズンに昇格したカルピよりも小規模な街です。割と近い近隣都市にボローニャがあります。
サッスオーロはセリエD以下のアマチュアも含むリーグを上下していましたが、2002年に世界的な建築資材メーカーである「マペイ(MAPEI)」の社長であるジョルジョ・スクインツィが買収します。そして下部組織の拡充、強化に重点を置いて積極的な投資を行います。スカウト部門も強化し、スカウトのルチアーノ・カルリーノが「ミラン・キラー」として名を馳せる事になるFWドメニコ・ベラルディを発掘したのは有名な話ですね。
クラブは下部組織と共に成長を重ね、2008-09シーズンにセリエBに初昇格します。その後2009-10シーズンと2011-12シーズンにセリエAへ昇格するチャンスがありましたが、残念ながら昇格プレーオフで敗退。2012-13にセリエBで優勝し、満を持して2013-14シーズンからセリエAに昇格しています。
【専用スタジアムを有する!】
スタジアムは約2万人収容のスタディオ・チッタ・デル・トリコローレを2013年にマペイが買収(実際にはレッジアーナと競合の末、落札)し、マペイ・スタジアムとして使用しています。実質上のサッスオーロ専用スタジアムとなり、入場料収入の増加を図りました。
イタリアでクラブ専用スタジアムといえばユヴェントス・スタジアムが有名ですが、実はスタディオ・チッタ・デル・トリコローレはレッジアーナが所有していたスタジアムですので、ユヴェントス・スタジアムは2番目のクラブ専用スタジアムとなり、マペイ・スタジアムは3例目となります。
【サッスオーロの主力選手】
FWドメニコ・ベラルディ
1994年生まれの21歳。イタリア南東部のコゼンツァ県カリアーティで生まれました。その後地元クラブのコゼンツァのプリマヴェーラに加入しますが、2009年の夏にモデナ大学に進学していた兄のもとを遊びに行った際にルチアーノ・カルリーノにスカウトされ、サッスオーロ・プリマヴェーラへ移籍し、サッスオーロでプロデビューを飾ります。2013年からはユヴェントスとの共同保有という形でしたが、共同保有の廃止により2015年にサッスオーロがユヴェントスの保有権を1,000万ユーロで買い取っています。
「ミラン・キラー」として有名であり、セリエAの3シーズンで、ミラン相手に6試合で8ゴールを挙げています。
またヨーロッパリーグの出場権を巡りサッスオーロとミランとの争いとなった事もあり、この2チームの因縁は来季以降も続きそうな気配です。